思考法には、具体的な方法を考える思考と、より抽象的な概念を扱う抽象化思考がある。
世の中の問題は、ほとんどが抽象的な問題で出来ており、抽象的な概念を紐解いていき、最終的に具体的な手段で解決する事が求められる。
つまり、抽象的な概念を具体的な手段まで落とし込む思考ができれば、世の中の問題が個人の能力だけで解決できるようになる。
日本の社会は、「当たり前」や「常識」などのルールによって動いており、「当たり前」「常識」に対して疑う事をしている人が少ない。
日本人は周りと人と同調することが求められる社会で、「普通」になることを求められてる。
小・中・高の教育も、考える事に対する比率が低く、丸暗記することでテストの点が取れる仕組みであり、本質的な思考が求められていない。
つまり、実際社会に出ても思考能力が育っておらず、マニュアル化された業務を淡々とこなす能力しかできない人が多い。
実際、仕事が出来る人というのは、思考能力が高く、マニュアルに無いことを自分の思考力で解決できる為、ほかの人と差がでている。
出来る人になる為の思考力とは何か?というと「抽象的」な問題を「具体的」なレベルまで落とせる思考法である。
出来る人に任せると、どのような問題もスマートに解決し、ミスなく素早くこなす。
何故こんなことが出来るのであろうか?
それは、出来る人特有の思考法があるからである。
問題が発生した場合、まずは原因を特定するが、原因を2つに分ける。
①直接原因
実際に問題が発生した直接の原因。
例えば発注ミスがあったなど。
機械が故障したなど。
②根本原因
直接的な原因がなぜ起きたのか?
起きた原因をなぜ?なぜ?なぜ?と、どんどん根本的な所まで考えて、最終的な本質までたどり着く。
発注ミスがあったのなら、担当者の凡ミス、発注システムの不具合、発注先のミス、時系列での発注作業の食い違い等
機械が故障したのなら、機械の保守期限の見直し、物理的な問題など、根本原因を特定する。
このように直接原因だけでなく、根本原因の深堀まで行う事で現状の問題解決と次に同じ事象が発生しないような対応まで行う。
ダメな人の例では、根本原因の特定が行われない、または、根本原因の深堀が足りない事で、同じ問題が再発する。
出来る人は本質を見極める。出来る人はあらゆる事象に対して、自分なりの見解を持っており、その見解に従い自信をもって行動する。
この本質を見極める能力がクリティカルシンキングを用いた思考法である。
よくあるダメな職場の例では、無駄に会議が多く、会議に参加している人数も多いわりに会議での結論が出ない。
それはなぜか?
単純に思考法が出来ていない人を大量に集めても、出てくる結論が同じである為、無駄な会議になっている。
もしこれが、思考法が出来る人だけを集めて、それぞれが違う視点から思考した結果を会議にぶつけると非常に有意義な会議になるだろう。
しかも、思考法が出来る人が出す結論は、大体同じ結果になる為、会議自体が承認を求める為だけの会議となり、非常にスマートに終わる。
結局、出来る人は普通の人とでは、根本的な思考法が違っている。
普通の人が出来る思考法は、ロジカルシンキングまでであり、出来る人は、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの両方を使いこなす。
つまり、クリティカルシンキングが出来るかどうかが出来る人になれるかどうかの差です。
ではクリティカルシンキングとは、どういうものか?
簡単に言うと、すべての事に疑問を持ち、結論を考える事が出来るか?というものである。
例えば、常識があったとして、その常識がなぜできたのか?を考える。
そして自分なりの結論(本質)にたどり着き、その本質のエッセンスだけを記憶する。
クリティカルシンキングが普段からできている人は、あらゆる事に対して本質を追求し、本質のエッセンスを蓄積している。
そして、問題解決を行う時の切り口として、本質のエッセンスを使い思考する事が出来る。
常にいろんな事象に対して疑問を持つことが出来るようになれば自然とクリティカルシンキングが身に付き、出来る人になることができます。