IQというと漠然と、頭の良さと言う考えている人が多いと思う。
一応、ウィキペディアでは、以下となっている。
知能指数(ちのうしすう、独: Intelligenzquotient, 英: Intelligence Quotient, IQ)とは、 数字であらわした知能検査の結果の表示方式のひとつである。 高いほど知能が高いことを、低いほど知能が低いことをあらわす。 知能指数の算出には2種類あり、「生活年齢と精神(知能)年齢の比」を基準とした従来の方式と、「同年齢」を基準とした方式がある。 現在では従来の方式はあまり使われなくなりつつある。 また、検査によってはより細かい「言語性知能検査」と「動作性知能検査」も決定する。 「同年齢集団内での位置」から算出される相対評価である。 入学試験合否予想システムに使われる偏差値と同じで中央値と標準偏差によって算出される。 知能指数は標準得点で表され、中央値は100、標準偏差は15前後で定義されている。 100に近いほど出現率が高く、100から上下に離れるに従って出現率が減っていく。 分布はほぼ正規分布になり85–115の間に約68%の人が収まり、70–130の間に約95%の人が収まる。 従来の知能指数は「精神年齢 ÷ 生活年齢 × 100」の式で算出される。 知能指数は100に近いほど出現率が高い(人数が多い)。 50–70は軽度知的障害、35–50は中度知的障害、20–35は重度知的障害、 20未満は最重度知的障害とされるが、40未満を測れない検査も多い。
簡単にまとめると、IQの測定には2種類あり、「生活年齢と精神(知能)年齢の比」を基準とした従来の方式と「同年齢」を基準とした方式がある。
よくある、IQ200とか子供向けの測定で、年齢に対して進んでいるのか?遅れているのか?(精神年齢 ÷ 生活年齢 × 100)で測定しており、子供が幼い頃に受ければ高くでる。大人向け(16才以上)は、偏差値による集団の順位付けによって算出している。
中央値が100で、50%の人が入る。前後85~115の間に68%の人が入り、前後70~130の間に95%の人が入る。
・130以上:極めて優秀 ・120-129:優秀 ・110-119:平均の上 ・90-109:平均 ・80-89:平均の下 ・70-79:境界線級/ボーダーライン ・70未満:知的障害
ちなみにテレビとかでIQ148の天才!とか出てますが、IQの偏差値には、標準偏差というものがあり、通常は15、テレビだと大きく見せる為に24を使ったりしています。
標準偏差15のIQ130は、標準偏差24の148になります。
1σ(標準偏差)が15か、24かでだいぶ違います。
いずれにしても、知能の尺度を図るものであるが、IQ(人間の知能)自体、未だになんであるかは解明されていない。(現在のテスト方法では、完全に測りきれない)
日本でのIQテストは、発達障害の検査に使われている為、精神科医に行く機会がない人は、受ける事は無いでしょう。
ネットでよく見る、これが解ければIQxxとかは、まったくのデタラメです。
現状、有力なIQテストとして、子供向けのWISCと、大人向けのWAISについて詳細に触れてみようと思う。
今最新のIQテストが、WISC-IVと呼ばれているもので、以下の特徴がある。
・5歳0カ月~16歳11カ月の子どもを対象にした、世界でも広く利用されている代表的な児童用知能検査です。 ・全15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており、 10の基本検査を実施することで、5つの合成得点(全検査IQ、4つの指標得点)が算出されます。 それらの合成得点から、子どもの知的発達の様相をより多面的に把握できます。 ・合成得点(全検査IQ、指標得点)、下位検査評価点に加えて、7つの プロセス得点も算出でき、子どもの検査結果についてより詳しい情報が得られます。また、マニュアルには、さまざまなディスクレパンシー比較のための表も 掲載され、詳細な分析ができるようになっています。
語理解指標(VCI) | 知覚推理指標(PRI) | ワーキングメモリー指標 (WMI) | 処理速度指標(PSI) |
---|---|---|---|
類似 単語 理解 知識* 語の推理* | 積木模様 絵の概念 行列推理 絵の完成* | 数唱 語音整列 算数* | 符号 記号探し 絵の抹消* |
昔は、小学校や、中学校で、IQテストを実施していたみたいですが、現状はやっていない所が多いみたい。
今思い返すと、小学校3年、中学校2年、高校1年の時に、IQテストらしきものを受けた記憶があります。
「このテストは成績には関係ないから」と言われて受けたやつが多分そう。
ちなみにIQテストを受けたい場合は、精神科医や、小児科で受けれるみたいです。
自分が住んでいる県のホームページの「知的・発達障害者」で探せば出てきます。
大人向けのIQテストとして、16歳~90歳12カ月までを対象としたテスト。
今最新のIQテストが、WAIS-IVと呼ばれているもので、以下の特徴がある。
・15の下位検査(基本検査:10、補助検査:5)で構成されており、 10の基本検査を実施することで、全検査IQ(FSIQ)、言語理解指標(VCI)、 知覚推理指標(PRI)、ワーキングメモリー指標(WMI)、 処理速度指標(PSI)の5つの合成得点が算出できます。 ・ディスクレパンシー比較、強みと弱みの判定、また、任意の手続きの プロセス分析により、検査結果について詳細な分析を行えます。 ・5つの合成得点のほかに補助の得点として、FSIQからワーキングメモリーと 処理速度の影響を減じた一般知的能力指標(GAI)を求めることもできます。 ・適用年齢の上限が90歳11カ月までに拡大されました。
全検査IQ(FSIQ) | ||||
---|---|---|---|---|
言語理解指標(VCI) | 知覚推理指標(PRI) | ワーキングメモリー指標 (WMI) | 処理速度指標(PSI) | |
基本 検査 | 類似 単語 知識 | 積木模様 行列推理 パズル | 数唱 算数 | 記号探し 符号 |
補助 検査 | 理解 | バランス(16~69歳のみ) 絵の完成 | 語音整列(16~69歳のみ) | 絵の抹消(16~69歳のみ) |
子供向けと同じようなのを測定しているみたいです。
実際、WAISのテスト内容を見たことがありますが、内容自体は難しくないです。(時間があれば必ず解けるような問題)
発達障害の検査目的の為、限界の知能を算出しようとかは全然ないみたいです。
ちなみにWAISで測定できるIQは156が最大値です。
よく、幼児期にIQを伸ばす英才教育をするような本が出てたりしますが、あれで教育するだけは良いですが、英才教育で伸ばしたIQは、大人になると元に戻ります。
その為、早期の英才教育でIQ(精神年齢的なやつ)だけ上げていい学校に入学したとしても、結局大人になるにつれて遺伝率の影響を大きく受けることで学業についていけずつらい思いをするだけです。
IQ自体は遺伝率が極めて高く、成人になったときのIQは遺伝率80%になります。
幼少期ほど遺伝率の影響を受けませんが、脳の成長が止まる16歳になると遺伝の影響が大きく出ます。(遺伝子に従って頭打ちになる感じ)
アメリカの研究で、一卵性双生児が別々に育った場合、IQに差が出るのか?という研究が行われています。
日本では余りなじみがないですが、アメリカでは、貧しい家庭で双子が生まれた場合、子供1人を里親に出す事が良く行われていました。
それを利用して、IQが環境依存で伸びるのか?遺伝子で決まるか?の研究が行われました。
結果として、子供のころは一卵性双生児のIQに差が出ましたが、大人になるにつれてIQの差が小さくなるという研究結果になりました。
つまり、子供のころは、家庭環境に大きく影響を受け、大人になると遺伝子の影響を大きく受ける結果となったのです。
ギフテッドという言葉を聞いたことはあるでしょうか?
ウィキペディアでは、以下
ギフテッド(Gifted)、知的ギフテッド(Intellectual giftedness)とは、 先天的に、平均よりも、顕著に高度な知的能力を持っている人のこと。 または、先天的な、平均よりも、顕著に高度な知的能力を指す。 外部に対する世間的な成功を収めることではなく、内在的な学習の素質、 生まれつきの学習能力を持っているということである。
簡単に言うと、先天的に知的能力が高い人の事です。
(現在は違いますが、昔はIQ130以上標準偏差15)
幼児期の英才教育が無意味といったのは、ギフテッドの脳の成長が普通の人の脳の成長と違うからです。
具体的には前頭前皮質の成長に大きな差があります。
前頭前皮質の成長 | 普通の人 | ギフテッド |
成長ピーク時期 | 7~8歳 | 12歳 |
ピークの厚み | 普通 | 厚い |
成熟速度 | 普通 | 早い |
成熟後の厚み | 普通 | 薄い |
ギフテッドの脳は前頭前皮質の厚さが厚くなるという成長がゆっくりであること。
そして、ピーク時は厚さも厚く、成熟プロセスに入るのが遅い一方で、成熟プロセスに入った途端一気に成熟し、最終的に厚さは薄くなるということです。
前頭前皮質の働きは、目標を決めて、計画を立て実行する能力や整理整頓能力、また人格形成にも関わってくる分野であるといわれています。
成長の違いを見ると、ギフテッドは幼少期には成長が遅くできない事が多いが、成長するに従ってどんどん能力を開花させて行き、12歳以降に一気に成長し普通の人よりも出来る事が多くなっていくのでしょう。
結論から言うと、上げれます。
次回はIQの後天的な上げ方