集団心理学って?

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集団思考と不敗幻想

集団になると陥ってしまう心理行動を集団思考と呼びます
集団思考(集団浅慮)の研究で有名なアメリカの心理学者アーヴィング・ジャニスは、集団思考において一番大きく働く力を不敗幻想と呼びました。
自分が所属している集団こその力であり、個々人もその為に必死に働いている、だから私たちの集団はどんなことでも乗り越えていけるという幻想です。

不敗幻想がその集団を支配すると、集団の結束を乱すような反対意見は言えなくなります。常に全員一致が原則になるので、新たに問題が発生した時の対応は遅れ、よい方法であっても多数意見でなければ否定され、有効な方法は採られにくくなります。

最悪の場合、群衆による集団暴行やリンチ事件まで引き起こします。このような行動は日頃の欲求不満が原因です。欲求不満が積み重なり、吐け口を求めて一気に恐ろしい行動に走ります。
特に他人同士で構成された集団である場合は、責任感も薄れます。
だれもが同じことをしているのだから悪いことではないと思ってしまうのです。
これを普遍感といい、人間にはもともと多数の人の価値観に倣っておけば間違いないと思う心理が働くようです。

反対意見が言えなくなる不敗幻想

大きな会社になると、人が集団になり易く、不敗幻想が発生しやすくなります。
この状況下では、みんなが同じ意見に流され、孤立を恐れて反対意見が言えなくなります。
大きな会社が腐敗していく状況もこのケースが多く、反対意見を言わない従順な社員が出世していくイノベーションが起きない会社が作り上げられます。

集団思考の最悪のケース

集団思考が極限の状況になると、反対意見を出した人がスケープゴートになる可能性があります。
歴史的に見ても大きな改革がある際は、正しい意見を言っている人がターゲットになり殺害されるケーズがあったりします。

時には小人数の意見が集団に影響を与えるマイノリティ・インフルエンス

集団の意思は物事に大きな影響を与えますが、時には少数者の意見が集団に影響することもあります。
それがフランスの心理学者セルジュ・モスコビッチが実証したマイノリティ・インフルエンスです。
マイノリティ・インフルエンスには二つの方法があります。
最初の方法はホランダーの方略と呼ばれるもので、過去に集団に大きく貢献した人がその実績から集団の理解と承認を得ていく方法です。
いわば上からのアプローチと言えます。

逆に下からの変革を促すのがモスコビッチの方略です。
実績のない者が、自分の意見を頑なに繰り返し主張し続ける事で、多数派の意見を切り崩していきます。

何度も反対し続けられても主張し続ける事で、ついには多数派を納得させたと言うパターンです。
そして、多数派が少数派の行動や意見に納得した時、マイノリティ・インフルエンスが最も効果を発揮し、少数派であっても後に非常に大きな支持を得る事になります。
ただし、あまりにもその意見と現実とのズレが大きいときには、マイノリティ・インフルエンスはあまり作用しない事が分かっています。

集団パニック、暴動を起こす集団心理

人は不安や恐怖(ストレス)などから混乱した心理状態に陥り、パニック、つまり集団的逃走を起こす事があります。特に日常とは違う状態になった時、素早く正しい情報が伝達されないと、その危険性が増して行きます。
また、パニックは拡大すると暴動へと発展します。引き金さえあればパニックはすぐ暴動に発展すると言えるのでしょう。
暴動は不満の蓄積からも起こります。
はじめは個人的なものであった不平・不満が周りに感染・拡大し、どんどん増幅していきます。
同時に抑制する力が低下し、逆に攻撃性が増し、ついには反社会的行動へと移っていくのです。
この引き金を引く人をアジテーター(扇動者)といいます。
アジテーターになる人は、もともと攻撃的で、社会に大きな不満を持っている人が多いとされています。

金融をめぐるパニック

今回のコロナウィルスによるコロナショックもこの集団パニックが原因です。
もともとはインフルエンザに比べ致死率が低いにも関わらず、マスコミによって煽られた結果、株の投げ売りが殺到し歴史的な株価の下落が発生しています。

まとめ

集団心理学とは、人が多数集まる事で本来の判断能力を奪い、多数派の誤った判断が集団の意思として浸透してしまう心理の事です。
集団心理状態になると、パニックや暴動といった危険な状態に陥ります。
このような集団心理を知っておくと、多数派の心理の理解や、それを逆手に取った戦略などが考えられるでしょう。

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